レフリーレポート「第100回全国高校ラグビー大会大分県予選」も最後となりました。全国大会出場をかけた決勝戦に臨むレフリーの現地レポートをお伝えします。
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左から家近さん、田吹さん、川野さん、浅田さん |
~川野レフリーコメント~
10月8日私の元に1通の連絡が入りました。
その内容は、花園予選大分県大会の組み合わせとレフリー割当であり、私の名前はトーナメントの1番上にありました。
そうです決勝戦のレフリーです。
私の胸は花園を目指す選手と同じように高鳴り、決勝を担当するという責任の重さを痛感しました。
11月8日いよいよ決勝当日、晴れ渡る秋空の下、私のホイッスルで試合が始まりました。
両チームの選手の思いと大分県高校ラガーマンの思いを感じながらピッチを駆け回り、古豪の意地を見せる大分舞鶴高校と2連覇を狙う大分東明高校、共に1歩も引かず一進一退の攻防が続き、結果は31対29 2点差で大分東明高校が勝利。
グランドに崩れ落ちる大分舞鶴高校の選手、喜びを噛み締める大分東明高校の選手、両チームの選手の目からこぼれ落ちる涙は私にとってとても感慨深い物であり、また、全てを懸けて戦う選手の素晴らしさと試合を担当するレフリー陣の責任の重さとやりがいを一層噛み締める事の出来る試合でした。
両チームの選手、監督、スタッフ、保護者及び大会関係者の方々に心から感謝を申し上げます。
◎2020年11月8日 決勝戦
前半 |
| 13:05 試合開始(KO:大分舞鶴高校) | 東明 | | 舞鶴 |
9分 | 大分舞鶴高校PG成功 | 0 | ー | 3 |
14分 | 大分東明高校トライ(GK:〇) | 7 | ー | 3 |
19分 | 大分舞鶴高校トライ(GK:×) | 7 | ー | 8 |
27分 | 大分舞鶴高校トライ(GK:〇) | 7 | ー | 15 |
30分 | 大分東明高校トライ(GK:〇) | 14 | ー | 15 |
後半 |
1分 | 大分舞鶴高校トライ(GK:〇) | 14 | ー | 22 |
6分 | 大分東明高校トライ(GK:〇) | 21 | ー | 22 |
9分 | 大分東明高校トライ(GK:〇) | 28 | ー | 22 |
26分 | 大分舞鶴高校トライ(GK:〇) | 28 | ー | 29 |
30分 | 大分東明高校PG成功 | 31 | ー | 29 |
大分東明高校 | vs | 大分舞鶴高校 |
1 | 高村 恒 | 3 | FW | 1 | 上野 由真 | 2 |
2 | 内尾 千剣 | 3 | 2 | 堀之内太陽 | 3 |
3 | 江藤 大輝 | 3 | 3 | 安部 駿亮 | 3 |
4 | 長谷部 龍成 | 3 | 4 | 島 正輝 | 2 |
5 | 東 隼大 | 3 | 5 | 江木畠遥加 | 3 |
6 | 小柳 滉大 | 3 | 6 | 岩田 力也 | 2 |
7 | 首藤 裕貴 | 3 | 7 | 平田 優樹 | 3 |
8 | セコナイヤ・ブル | 3 | 8 | 安永 稜 | 3 |
9 | 宮川 博登 | 3 | HB | 9 | 川原 大 | 2 |
10 | 安藤 拓志 | 2 | 10 | 川上 隆輔 | 2 |
11 | ジョアペ ナホ | 3 | TB | 11 | 田代 諒介 | 3 |
12 | 成松 憲輔 | 3 | 12 | 恒石 旭陽 | 3 |
13 | 日隈 太陽 | 2 | 13 | 中井 駿 | 3 |
14 | 浦川 直輝 | 1 | 14 | 永楽 豪 | 2 |
15 | 伊達壮次郎 | 3 | FB | 15 | 山本 耀平 | 2 |
16 | 原口 凌河 | 1 | Re | 16 | 田代 大介 | 1 |
17 | 谷 徹匠 | 2 | 17 | 川野 倫太郎 | 2 |
18 | 佐藤 陵真 | 3 | 18 | 安田 薫 | 2 |
19 | 村上 幸太朗 | 2 | 19 | 築城 峻汰 | 2 |
20 | 馬越 涼 | 2 | 20 | 石原 直樹 | 3 |
21 | 後藤 大心 | 3 | 21 | 惣福脇 和 | 2 |
22 | 森田 迅帝 | 3 | 22 | 福山 栞太 | 3 |
23 | 堀 恭輔 | 2 | 23 | 足立慎太郎 | 1 |
24 | 佐田 尊慈 | 3 | 24 | 黒木 紘河 | 1 |
25 | 浦山 丈 | 1 | 25 | 左村 碧月 | 2 |
◎トーナメント表
◎ギャラリー
◎第100回全国高校ラグビー大会大分県予選大会(YouTube動画)
※今大会の画像のスライドショーです。
今年度の九州学生Ⅰ部リーグは2つのリーグで行われ、各リーグの1位と2位チームで行う決勝トーナメントで優勝すると全国大学選手権への出場権を得ることが出来ます。Bリーグ2位の日本文理大学はAリーグ1位の九州共立大学と対戦し見事勝利しました。11月14日は優勝をかけて福岡工業大学と対戦します。
日本文理 大学 | 26 | 26 | 前 | ー | 前 | 0 | 22 | 九州共立 大学 |
0 | 後 | 後 | 22 |
◎現地レポート
前半立ち上がり、自陣で戦う時間が続く日本文理大は粘り強い組織ディフェンスで、九州共立大の攻撃を防御し、自陣で得た少ないチャンスを確実にスコアに結びつける。
そして時間の経過とともに、ワンチャンスを確実にスコアしていき、前半は26ー0で日本文理大がリードして折り返します。
後半、日本文理大に反則が続き最初のトライを許します。その後もディフェンスでペースを掴みかけるも反則でリズムに乗れず、九州共立大に3トライ奪われます。
残り時間4分、日本文理大がブレイクダウンで時間を使い連続攻撃。残り1分の時点で日本文理大が倒れ込みの反則。
九州共立大も逆転を狙い必死に攻めますが、最後までディフェンスの集中力が切れることなく、見事勝利。
次週の決勝にコマを進めました。
第100回全国高校ラグビー大会大分県予選決勝戦は新型コロナウイルス感染防止の為、無観客での開催となります。
>>保護者の皆様
>>メディア関係の皆様
◎テレビ中継
OBS大分放送 13:00~14:30
◎ラジオ中継
OBSラジオ 13:00~14:30
第100回全国高校ラグビー大会大分県予選準決勝
◎第一試合 日本文理大附属 vs 大分舞鶴
(左から家近さん、甲斐さん、田吹さん、川野さん)
◎第二試合 大分東明 vs 大分工業
(左から家近さん、松本さん、浅田さん、甲斐さん)
<浅田レフリーレポート>
11/1大分東明高校-大分工業高校 レフリーレポート
いよいよ花園大分県予選も4強が出そろい、決勝進出をかけた戦いが始まります。
私は準決勝に臨むにあたり、この試合を対戦カードか決まった時から考えていました。
この花園の県予選は高校三年生にとっては、負ければ最後の試合になってしまう重要な試合です。
引退する選手にはどのような高校ラグビー最後の60分間にするかは選手ももちろんですが、レフリーも重大な役割を担うことと思っています。
そしてその大切な60分間の事前準備として、チームの持ち味や試合展開、レフリーとしてどのように携わるのか…様々な状況を考え自分なりにシュミレーションしました。
また、アシスタントレフリーの甲斐さん松本さんとは、前日に共通認識のすり合わせ、レフリーからの要望、アシスタントレフリーからのアドバイスなどについてリモートでミーティングを行いました。
【迎えた試合当日】
レフリーの仕事はブリーフィング(試合前にレフリーが両チームへ行き、試合で不要な反則が減りクリーンな試合展開となるように、当日の注意事項の説明やチームからの質疑応答等を実施)から始まります。
【試合開始】
序盤、大分東明高校がアタック力を発揮し、大分工業高校も気迫のディフェンスで反則を誘い凌ぎますが、徐々に大分東明高校の圧力が勝る展開に…
そんな中、ピッチ上にいる私には聞こえていました。
大分東明高校の選手にタックルを外されるも2人目、3人目と大分工業高校の選手が食らいつきながら、全員が(くそー!)(とめろー!)と叫んでいるのです。
いくら点差が離れようが、大分工業高校の選手の心は折れていない!
そうです、選手たちが一番分かっているのです。
この試合が高校ラグビー最後の試合だ。
そんな清々しい高校ラガーマンと一緒にピッチを駆け回り幸せな時間でした。
(レフリー 浅田 怜介)
Oita Rugby Football Union